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管理人がその時々で気に入った萌えを綴っていけたらいいなと思います
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お久しぶりです!更新さぼってましたごめんなさい。

いや、書いてはいたんですけどうpするのがなんとなく気が向かなくて・・・。
とりあえず書き溜めていたものを順々にうpしていこうと思います。

折りしも今月は6月。6月といえばジューンブライド!ってことで、結婚にまつわるssを毎週一本ずつうpしていけたらなーと思います。
(何故か結婚関連ネタばっか完成したので・・・)

 

というわけで今週はコレ!

「つけこんでます」です。

タイトルの適当っぷりは勘弁してください。
*ユリエス表現あります


おっさん汚い。さすが大人。流石おっさん。
 



失恋した。
エステルとユーリがついに結婚にこぎつけたのだ。
あいつら側で見ててじれったかった。お互いが思い合っているのに、鈍いあたしでさえわかるのに、なかったことにしようとしていたから。
みんなと一緒になって焚き付けたのは後悔してないし、二人の結婚を喜んでいるのも本当。
 

だけど、悲しいって思うあたしがいた。
 

喜びだけじゃない涙が頬を伝うのがわかった。誰にもわからないかもしれないけど、二人に悪い気がして少し離れたところ、人から見えないように路地裏に座り込んで泣いた。
 

早く戻らないと、あたしがいないことにエステルが気づいたら心配しちゃう。今日の思い出は、幸せでいっぱいにしてあげたいのに。
 

でも涙が次から次に溢れてきて止まらない。どうしよう。
 

ぐすぐすみっともなく鼻を鳴らすあたしにいつの間にか人影がかかってた。おっさんだ。おっさんはいつものように何も見てませんよ、って涼しい顔であたしの隣に立っていた。
どうしてこんなところにいるのとか、向こうに戻ろうとか言わないであたしの好きにさせるつもりらしい。
聡いおっさんのことだから、あたしの気持ちとかたぶんわかってる
んだろう。だからちょっと尋ねてみた。


「お゛っざん」
「なんだい、リタっち」
「あたし、しつ、失恋したっ、んだけど」
「あ゛ー・・・・」
「ちょっと、気になるっ、ことがあって」
「ん?」
「エステルとユーリ、あたしはどっちに失恋したの?」
「・・・・」
 

二人の並んで歩く姿を思い出す。
エステルを浚っていくユーリに秘奥義かましたい。
ユーリの側にいるエステルが羨ましい。
でも二人が一緒にいて幸せそうなのを見ると嬉しくなるの。
 

「どっち?」
「・・・・それはね、リタっち。どっちも大好きで、どっちも大事だったのよ。嬢ちゃんがリタっちを想うように、青年がリタっちを大切にするように」
 

「それは知ってる。なのに素直に、祝福できないあたしが嫌・・・」
「人はそんな単純なもんじゃないってことさ。それだけ大事に思ってるってことでもあるし。特にリタっちはずっと寂しかったわけでしょ?それに、リタっちが結婚するときは、嬢ちゃんがおんなじように喜んで悲しんでくれるよ。青年はー・・・・まあ、ジュディスちゃんと一緒に新郎に本気まじりの攻撃しかけるんじゃないの?うわあ怖い」
 

自分で言っておいておっさんは青ざめた顔で自分を抱きしめた。なんなのそれ。

 

「どうせ泣くならこっちで泣きなさい」
そう言っておっさんの胸のなかに包み込まれた。
「リタっちはもう独りじゃないんだから。隠れて泣いたって、おっさんが見つけるからね」
おっさんの匂いに包まれる。おっさんの腕の中にいるとすごく安心して、眠りたくなるぐらいに心地良い。なのに、ずっといると苦しくなってくる。
「いつでもおっさんの胸は空いてるわよ」
「いつでもは無理よ」
「なんでさ。信じなさいって」
「嫌よ。あんただって、いつかは恋人できてエステルとユーリみたいに結婚するに決まってるもの」
出会ったときは軽い男だと思ってた。騙されてすごくむかつくときもあった。女好きで、ふざけたことばっかり言うおっさん。だけど、それだけの性格でないことをもう知ってる。
「おっさんモテるでしょ。・・・悔しいけど、良い男・・・だと、思うし。ユーリとか、フレンとは種類が違うけど」
「およ、リタっちいつになく素直ね。おっさんの魅力に遂に目覚めた?」
「違う。客観的な評価よ。・・・・とにかく、あんたの腕もそのうち誰かが入るとから、無理だって言ったのよ」
ずっとでなきゃ嫌。あたしはお気に入りがあったらそこをずっと大事にしたいのよ。いつか失う泣き場所なんて作るんなら最初から無い方がいいじゃないの。
「・・・じゃあ約束する?」
「え」
「『ここ』はリタっち専用の泣き場所にする。その代わりに、リタっちは『ここ』以外で泣かない。もしくは泣いたら来る。あ、泣いてなくても抱きしめて欲しかったら来て良いよ」
「おっさん」
「嬢ちゃんとか女性陣は許すけど、野郎は駄目だからね。わかった?」
「・・・ん」
おっさんの言うことはよくわからなかったけど、頷くことにした。だっておっさんの腕の中がすごく気持ちいいんだもん。四六時中何か思考しているあたしがぼんやりするって、ほんとすごいことなのよ。
要はここにずっといていいってことでしょ。
それだけわかれば十分・・・・よね?
いつの間にかあたしの涙は止まっていて、そのことにおっさんも気がついたらしい。
「あ、ブーケトス始まるよ。行こう、リタっち。絶対取れるわよー」
ブーケを受け取った未婚の女性は、次の花嫁になれる・・・っていう迷信よね?エステルが前に言ってたわ。
 

そのジンクスで行くと、結婚するような相手のいないあたしは取れない筈だけど。
 

「リタっちの花嫁姿綺麗だろうねえ。楽しみだわあ、おっさんがユーリに殺されそうになったら助けてね」


・・・・ん?

あれ、なんか。今、あたしの進退に関わる爆弾発言が聞こえた気が。
 

頭の中でクエスチョンマークが大量に浮かぶし、聞き返そうと思ったけど。
笑顔の大安売りかって言うくらいおっさんは笑ってるし、珍しく本心から幸せそうな顔をしてたから、それを見てたらあたしは疑問がどうでもよくなった。
 

「・・・・・うん」
 

気がついたら頷いていたあたしがいた。
 

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