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管理人がその時々で気に入った萌えを綴っていけたらいいなと思います
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詐欺中年と被害者少女シリーズその2-2

おっさんが微妙に本性発揮・・・・?
リタっち順調に騙されております。


おっさんの近づいてきた顔に、『きもちいい』ことをするんだ悟った。
何回も繰り返せばそういうときの雰囲気はわかるようにる。
おっさんがあたしにあと少しで触れるところまで来たところで、進路を手で塞いだ。
柔らかい感触が掌に伝わる。
「リタっち?」
無言で首を振った。
おっさんは不審そうな顔をしてこちらを見た後、おもむろにあたしの手を掴んでどけようする。
「嫌」
「どうして?」
「したくない」
「どうして?」
「どうしてって・・・」
あたしを掴んだ指の力が強くなる。
身長の差からあたしが真下から見上げる形となり、丁度前髪が陰になっておっさんの目を覆い隠してしまった。こうして見るとまるで別人のようだ。
「おっさんが嫌になったの?」
また質問。さっきから疑問の言葉しかおっさんが発していないことに気づいた。
「それとも」
「おっさん?」
「まさか他に教えてくれる人ができたとか?」
「痛っ」
ぎりぎりと力いっぱい握られた。これじゃ跡が残るだろうに、おっさんはまるで加減をしてない。
「ねえどうしてリタっち?」
いた、い。
あたしの知ってるおっさんは、うさんくさくて、いっつもへらへらしてて女好きで。
こんなの知らない。
あたしの混乱を無視しておっさんは淡々と問い詰める。
「答えてよ」
こんな予定じゃなかったのに。
最初から試しっていう話だったでしょ、もう十分じゃない、おっさんがあら残念って答えて終わりの筈だった。
言おうと用意していた言葉はまるで口から出てこないままだ。
代わりに出てきたのは言うつもりのなかった本音だった。
「だってあたし馬鹿になる!」
「は?」
変な声が聞こえてきたけど無視して、叫ぶ。
「おっさん見るたびに、『きもちいい』の思い出して、苦しくなるの」

最初はこんなことなかった。
知るのも楽しくて、次は何をするんだろうって余裕もあった。
なのに回数を重ねるごとに、それだけじゃなくなった。
本を読んでいても、研究をしていても、おっさんとする『きもちいい』を思い出すと思考が寸断される。
あたしの一番は魔導器なのに、『きもちいい』が邪魔をしてしまう。
こんなのあたしじゃない。

とりあえずこんな感じの内容を喋りまくった。
正直頭が混乱して思いつく言葉をそのまま語ったから、もっととまとまりのない文章だったと思う。
おっさんはそんなあたしの言うことをただ黙って聞いていた。
「・・・頭ぐるぐるして止まらないし、もう・・・ヤダ」
おっさんに言いたい放題叫んで、癇癪をぶつけて、これじゃ本当に子供じゃない。
言いたいことを言った後、この言葉を最後におっさんの顔が見れなくて俯いた。

ふ、とおっさんから発せられる空気が軽くなった。

情けないけどその場に立っていられなくて膝から崩れ落ちそうになったところをおっさんに抱きとめられた。
「大丈夫よ、リタっち。それはね慣れてないだけよ」
「・・・・・・慣れ?」
「そそ。慣れ。安心しなさいな。はじめてだから余計に戸惑ったのね」
耳元に小さな声で囁かれる。
おっさんが喋る度に息が耳にかかってくすぐったい。
「おっさんが大丈夫だもの。天才魔導少女のリタっちが慣れないわけがないわ」
「・・・・そうなの?」
「おっさんを信用してよう」
「信用できるようなことしてきた?」
「・・・・それにしてもリタっちかわいいわねえ。俺様大感激」
「話逸らすな」
おっさんの言うことだからイマイチ信用できないけど、もしおっさんの言うことが本当なら。
それなら、今まで悩んでたあたしが馬鹿みたいだったじゃないの。
気が抜けたのと触れているおっさんの体温が心地良くて、うとうとしてくる。ここ数日は寝不足だったから尚更だ。
「もう今日はこのまま寝ちゃいなさい」
おっさんの柔らかい声がして、膝の裏を持ち上げられて運ばれる。
躰の力を抜いてされるがままにしておいたら洗いざらしのシーツの上にそっと下ろされた。
ベッドが軋んで隣におっさんも一緒に寝転がる気配がした。
「おやすみリタ」
その言葉にあれ、と思ったけどその時には既に思考は闇に溶けていった。



あたしはおっさんに抱きしめられたまま眠ってしまったらしい。
朝になって目が覚めるとあたしはベッドに一人で寝かされていて、おっさんはもういなくなっていた。
ただ、あたしの服におっさんの匂いが染み付いついたらしくその日一日中取れなくて困った。
おっさんが近くにいなくともすぐ傍にいるような心地になって、妙に心臓が騒いで結局今日も研究に集中できなかった。
それもこれもみんなおっさんのせいだ。
ムカついたからユーリと結託して出す料理をその日一日中甘いもの尽くしにしてやった。
その日戦闘組だったおっさんはヒィヒィ言いながら食べてた。ホント良いザマ。

 

そういや『きもちいい』はどれくらいで慣れるんだろう?
おっさんに聞くのを忘れてた。
今度聞いとこ。
 

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