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前回と同じ場面ですが、1話とするにはちょっと長くなったので一旦切って3を作りました。
つまり正確には3-2(後編)ってところですね。
誰かこのおっさん捕まえてください。
3-3
手をどけると、するりとスパッツの中にあたしが舐めたほうの手が飲み込まれていった。
こうなると何をするのかあたしからも見えない。
おっさんからは言うまでも無い。
「ありがと」
ゆっくりと確かめるようにおっさんは探る。
臍の下の、もっと奥。正確に言えば股の間がさっきからなんだかじんじんしている。
太腿を擦り合わせると、少し楽になるけどすぐにまた苦しくなる。
じんじんしている場所をおっさんの指が時折かすめて、もっと触れて欲しいような、欲しくないような気がした。
「濡れてるわね」
確認するおっさんの声は、なんだか楽しそうだ。
でもあたしはそれどころじゃなかった。
おっさんが意思を持って強くその場所を触れた途端に体が勝手に跳ねたのだ。
なに、今の。
何って、これも「きもちいい」なんでしょう、と自問自答した。
だけどこの「きもちいい」は、たしかに「きもちいい」けど今までと桁が違う。
ぐるぐる考えてる間にもおっさんは指を動かしていって、その度に躰があたしの支配下から、おっさんへと制御権が移されていく。
揺れる、廻る、壊れる。あたしが溶けていく。
止めて、止めないで、これ以上は知りたくないのに教え込まれてく。
おっさんの指が動くたびにばね仕掛けの人形みたいに躰が大きく跳ねる。
それをもう一方の片手で押さえつけられては弄られる。
あたしじゃない甘えた変な音が口から漏れ出すと、おっさんに唇で塞がれた。
あたしにはどうしようもできなくて、縋りつけるものが欲しくて目の前で揺れる紫の羽織をぎゅっと握り締めた。
いや
やめて
あたま
まっしろ に なって
ちかちか
おちる
ぐるぐる
なに これ
うわ やだ まって
あああああ、あ
あ
少しの間気を失っていたらしく、重い瞼を開けるとあたしは背後のおっさんに力を抜いてもたれ掛っていた。
おっさんは知らない曲をハミングしながらあたしの髪を指で梳いて遊んでいた。
涎が口の端から滴り落ちていたのに気づいたけど、脱力感がひどくて拭う気力も沸かなかった。
荒い息が止まらない。
まるで全速力で駆け抜けたか、全力で戦闘したあとにふっと通常の自分に戻ったときみたいだ。
疲れた。
あたしはなんにもしていないのに物凄く疲れた。
今度は意識的に後ろのおっさんに体重をかけてもたれかかった。
なかなかいい椅子、かも。
ふと、あたしのお尻のあたりになんだか硬いものが当たっていることに気づいた。
まあおっさんの刀とか、あたしの装備品あたりが挟まっているだけだろう。
「さっきの、なに?」
「『きもちいい』のもういっこ上ってところかしら」
「いたい!」
「ごめんごめん。・・・・そっかー、まだ無理か」
思わず叫んだ声に直ぐ指が引き抜かれる。
いつの間にかまた侵入してきた指が、あたしの中に入ろうとしてきたのだ。
それも2本も。あんなに太いのに無理に決まってるじゃないの。
だけどおっさんは言った。
『まだ』って。
ということは。
「この先もあるの?」
「もっちろん。『きもちいい』に浸ってるリタっち見るのも好きだけど、そろそろおっさんも気持ちよくなりたいのよねー。この先からは二人で気持ちよくなれるのよ」
「そういうものなの?」
「そういうものなの。ま、最初だけちょっと痛いけど、少し我慢したらすっごく『きもちいい』わよ」
「ふうん」
「おっさんとリタっちのだけの秘密よ?」
「・・・ん」
おっさんの膝から飛び降りる。
たくしあげられた上着を下ろして、解かれたリボンも結びなおす。
服に皺が少し寄ってるけど、これくらいは普通だろう。
おっさんと話すのは嫌じゃない。
だけどこれ以上一緒にいて続きをされたら、と思うと部屋に帰って一人で眠りたくなった。
「きもちいい」を消化する時間が欲しかった。
この先を知るのは、嫌じゃないけど、今はいい。
「一緒に寝ないの」
「冗談」
おっさんに抱えられてだなんて、そんな経験は一度で十分だ。
廊下に通じる扉を開きながらなんとなく呟いた。
「そういえばおっさんは脱がないわね」
自分はおっさんに服を散々に乱されてるのに、おっさんはその服を少しも崩さないのだ。
それは少し不公平な気がする。
「・・・・・気になる?」
「別に」
「おっさんはセクシーボディー見せてもいいわよ。ただ、見られたからには責任取って貰うけど」
それでもいい?とおっさんは言う。いつもの軽口だ。
「・・・止めとく」
「あら残念」
さして残念でもなさそうな顔をしてよく言うわ。
今度こそ部屋に戻ろう。
「リタっち」
振り向くと、おっさんが手を振っていた。
「また今度ね。約束」
気が向けばねと答えながら気が早いあたしは次を思った。
今度、か。
次は何をするんだろう?