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管理人がその時々で気に入った萌えを綴っていけたらいいなと思います
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久しぶりのアホの子シリーズ。

ただし、一転してシリアス(笑)に成ると思います。
小野の書けるシリアスなんてシリアスじゃねーもの。

というわけでエロはなしです。
実はこの話(それ以降もですが)連載が凍結した当時から雛形は作ってあったんですよね。

ただ、ここから展開というか雰囲気が思いっきり変わるモンで、どーかなーと悩んで、悩んで、どうでもよくなりました(笑




久しぶりに会ったおっさんは、おっさんであっておっさんじゃない人間だった。


おっさん、じゃないヒトはあたし達のことを敵対するものって呼んだ。


今まであたしといた人は誰だったの。
目の前にいるあんたは誰なの。
涙が止まらないのはなんでなの。


裏切ったんじゃないかと、疑っていたのはあたしなのに。
どうして本当のことがわかって、胸がこんなに痛いの。


わからない、わからない。頭の中がわからないことで埋まっていく。
だけど、これだけはわかる。


エステルを助けたいなら、あたしはここで負けるわけにはいかないことは。


震える声に気付かない振りして、精一杯の虚勢で目の前の男を睨みつけた。

 

 

 


背にした神殿から、無視するなとでも言いたいのか轟音が存在を主張する。そんなにしなくたって、忘れやしないのに。
未だ崩れ落ちる音を遠くで聞きながら、振り向けないのはきっと怖いからだ。
みんな黙って、脚を前に動かした。勿論あたしも。


だいたい、いつだって。
あたしが怪我したときは、小さいからって放っておいても目敏く見つけた奴が天才少女大丈夫ー?って頼みもしないのにしゃしゃり出てきて。あのいつものふざけた呪文を、唱えて、治して。
「・・・・・っ」
ギリッ、と唇を噛み締めた。今は余計なことは考える暇なんてない。


おっさんじゃないおっさんに斬られた傷が疼く。
治療は後回しにして戦ってたから当然か。
術式を編み上げるのに必死で、傷に気を回す余裕なんてあるわけなかったから。
血が大分流れたせいか思考能力は低下するけど、傷口が熱を持っていることは理解できた。
これはたぶん痕になる。なればいいと思う。
どうしてって聞かれても困るけど、強いて言うならおっさんがいた証が、なにも残らないのも癪だからだろうか。


誰かが心配して声を掛けてきたけど、無言で首を振った。
こんな傷なんてたいしたことない。
あたしたちにはやるべきことがあるんだから。


なのに。


脚が、もつれて、うまく前に進めない。
はやく、まえに。


行かなくちゃ。
エステル。
おっさんがあんたの居場所教えてくれたよ。


すぐいくから、まってて。

 

 

 

おっさんのうそつき。
こんどって。
おしえてくれるっていったじゃない。

 


しんじゃったらどうやっておしえるのよ。


 

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