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管理人がその時々で気に入った萌えを綴っていけたらいいなと思います
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会話文が今のところ2個入ってます。
今後もこそこそ増やしていきたいです。
過去ログからです。

夜の奥様劇場で、短い文はここにぶちこむことにします。

簡単目次 (括弧内は更新日時です)

・発見(2010/5/13)
・再会、それから(2010/5/13)
・苦悩(2010/5/14)
 


 

『発見』


「やっと見つけた」
唇の端が持ち上がり、ぎこちない笑みの形に歪んだ。
彼女が姿を消すまでは些細な感情表現だったのに、凍りついた心はそれさえも忘れていた。
長かった。彼女が自分の目の前から姿を消してから、もう10年になるだろうか。
自分が抱いていたころはまだ少女の粋を脱していなかったその肢体も成熟した女そのものに変貌していた。
惜しむらくは、その成長を間近で見られなかったこと。
きっと少女から女性へと変わっていくその様はなんとも美しい情景だっただろうに。
だが今からでも遅くは無い。まだ間に合う。
あれだけ母親としての愛情溢れる彼女だ。
娘のことを盾に取れば誰にも触れさせてはいないだろうその身を容易に捕まえることができるだろう。
彼女を汚していいのは自分だけだ。
今度こそ逃がしはしない。





『再会、それから』


「よかった。誰にも触れさせてないみたいねー。偉い偉い」
「心配してなかったけど、ちょっと不安だったのよ」
「この淫乱な躰が、まあ、おっさんがそう仕込んだわけだけど、我慢できるのかしらって」
「始末する手間が省けたわ」
「ね、リタっち」
「この10年、どうやって処理してた・・・・?」
「そのほそい指。下のお口に銜え込んだの、これだけ?」
「教えてよ」
「お前の10年を。俺も教えるからさぁ」

 



『苦悩』

浮遊感に眼が覚めた。
手枷は外れていたが気を失うまで散々好きにされた為、動かすことすらできそうになかった。
レイヴンもそう踏んで枷を外したのだろう。
女の身とはいえ力の抜けた重量のかかる躰を軽々と抱え、悠々と男は歩く。
眼の周りには柔らかい布で覆いがされ、どこに向かっているのかは判断できない。
それでも自分を抱える人間がレイヴンと分かるのは嗅ぎなれた体臭のおかげだった。

リタに経路を覚えさせないためか、レイヴンはかなりの距離を歩き回っていた。
角を何回も曲がり、いくつもの扉を開け、廊下をまた歩く。
階段を上り下りした後に、目的地についたらしい。

湿度の高い熱気に満ちた空気と、水が流れ落ちて反響する音。
どうやらここは浴室なのだろうと検討をつけた。

レイヴンは衣服が濡れることも厭わずにリタを抱えたまま、湯の溜まった浴槽に脚を踏み入れた。
指の一本一本から指の先から頭の頂点に至るまで壊れ物を扱うかのようにそっと丁寧に洗う
時折立つ最小限の水音だけが浴室に響く。
秘奥から、注がれたものがそっと掻き出された。
リタが起きているときの執拗なまでの快楽を追求するような動きとは違い、刺激しないよう、あくまでもゆっくりしたとしていた。触れる指先から壊れ物を扱うような、繊細な愛情が感じられた。

再び意識が混濁してきた。
今自分が起きていること事態が奇跡に近い体調なのだから当たり前だ。
だが再び眼を覚ましたとき、物事を考えられる余裕があるか分からなかったから、少しでも思考を纏めたかった。

正直、憎んですらいた。
預けた愛情を跳ね返されたときかから裏切られたと信じていた。
自分が愛した男がどんな人生を歩んできたかも忘れて。
だが強い憎しみは愛情の裏返しだ。
愛していなければ仕打ちに傷つくこともなく、無関心でいられた。それだけのことだ。

事実を知った今、感情の方向を見失った。
しかし二人が離れた10年間は消せない。

どうしたらいい?
今更、頑なになった自分を変えられない。
だが、自分が変わらなければ、おそらく状況はこのままだ。

戻りたい。
何も知らずに、彼の人の隣で無邪気に笑いあっていたあの頃に。

叶わぬ夢に身を委ね眠りに就いた。
 

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